忙しい日々の中で、
何もしない時間を持つことは、
意外とむずかしいものです。
頭はいつも何かを考えていて、
心は次の予定へと先回りする。
そんな毎日の中で、
私を静かに現実に戻してくれるのが
「手を動かす時間」でした。
手を動かすと、頭が静かになる
針を持つ。
糸を通す。
布の感触を確かめる。
それだけのことなのに、
頭の中のざわめきが
すっと消えてゆくように感じます。
うまく作ろうとしなくていい。
完成を急がなくていい。
ただ、今この瞬間の手の感覚に
身を委ねるだけ。
考えすぎていたことも、
言葉にできなかった感情も、
自然と落ち着いていくのを感じます。

上手じゃなくても、意味はある
手芸というと、
技術や完成度を思い浮かべる方も
いらっしゃるかもしれません。
でも私にとってそれは、
評価されるための時間ではありません。
少し歪んでいても、
思った通りにならなくても、
手を動かしたという事実そのものが
今日を生きた証のように残ります。
誰かに見せるためではなく、
自分の内側を整えるための時間。
それで十分なのだと思っています。

作ることは、言葉を使わない対話
言葉にできない気持ちほど、
手は正直です。
疲れている日は、
針の進みもゆっくりになる。
気持ちが落ち着いている日は、
自然とリズムが生まれる。
作ることは、
自分の心の状態をそのまま映しだす
静かな鏡のようなものなのかもしれません。
だから私は、
無理に気持ちを整えようとせず、
ただただ手を動かします。
すると不思議なことに、
心のほうがあとから
追いついてくるのです。

管理人として、この場所でできること
kukunadollでは、
完成された作品だけでなく、
作る途中の時間や、
そのときの気持ちも
大切にしていきたいと思っています。
きれいにできた日も、
何も進まなかった日も、
どちらも同じ一日。
手を動かすことで、
自分を少し取り戻せたなら、
それは立派な時間です。
このブログが、
誰かにとっての
「今日はここまででいい」と
思える場所になれたら嬉しいです。

手を動かす時間は、
派手ではありません。
けれど確かに、
私を支えてくれています。
これからも、
そんな時間を
この場所にそっと置いていきます。


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